僕も法律の専門家じゃないですが、その理由じゃ解雇できなくね?
彼は残業代のチャンピオンでした。基本給与は最低レベルなのに、残業代を加えると給与全体ではトップクラス。にも関わらず結局仕事がきちんと上がらなかったので、エース級の人材が彼の尻拭いをする羽目になっていて、これでは出来る社員が二重に腐ってしまいます。
まず、解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効となる。
前の会社のことですが、会社が傾いちゃって、「来月の給料でないからー」ていわれたことがあり。
その時、「解雇」については割と調べたんですが、この「合理的な理由」と「社会通念上相当」ていうのが、現行法だと割と制限されていて、よっぽどの理由がなければ「解雇」はできないはずです。
で、「よっぽどの」にあたるのが以下、2種。
懲戒解雇
労働者が著しく重大な違反(例:犯罪行為、着服・横領、経歴詐称、業務執行妨害等)をした場合の懲罰として行なわれる解雇。解雇事由は就業規則に列記されたものであって、就業規則規定の手続きをとらなければならない。またほかの懲戒事例と釣り合い(平等取り扱いの原則)、社会通念上の相当性、事前弁明の機会の付与が適正手続きとして要求される。さらに、上記のような刑事犯罪等に該当しない場合には、事前の注意や警告、段階的懲戒も必要となる。
整理解雇
普通解雇に属するものではあるが、過去の裁判の判例により現れてきた慣例であり、倒産などの回避を目的とするための人員整理として行なわれる解雇。尚、整理解雇の実施には裁判の判例で慣例となった「整理解雇の四要件」によらなければならない。
dankogaiさんがクビ切りした人は、ブログ読む限り、この2つには相当しなさそうです。(懲戒ほどのことをしてないし、会社が倒産しそうだからという感じでもない)
懲戒解雇、整理解雇にあたらない「解雇」はいわゆる「普通解雇」だと思いますが、判例的に「仕事の能力」によって、「解雇」が認められる例は少ないはずです。
尚最近の解雇の法律上の制限や判例から、仕事の能力や協調性が無いということで普通解雇を認められる例は非常にすくないので、普通解雇が安易にできないものとなっている。
エース損害保険事件(東京地裁平成13年8月10日)において裁判所は、成績不良の正社員を解雇する場合は、「それが単なる成績不良ではなく、企業経営や運営に現に支障・損害を生じ又は重大な損害を生じる恐れがあり、企業から排除しなければならない程度に至っていること」を要するとしました。つまり、よほどの能力不足でなければ解雇はできないということです。
さらに同判決は、能力不足の程度のみならず、解雇にいたるまでの使用者の対応がどうだったかを問題としています。具体的には、「指導・注意をするなど改善の機会を与えたかどうか」、あるいは他の業務に適性があるのではないかという観点から、「解雇の前に配置転換を検討したか」「使用者側の対応に労働者側が反発するのもやむを得ないというような事情がないか」などを考慮すべきだとしました。
dankogaiさんの場合、「配置転換」するとか「改善の機会」を与えたりはちゃんとしたのだろうか?
そうでなければ、この件の場合「解雇」はできない(というか、解雇しても認められない)。
最終的には「解雇」でなく「自主退職」にしてますが、法律的には通用しなさそうな「解雇」をちらつかせてるのもまずいんじゃなかろうか。
要は、現行法だと正社員の場合(そういえば、この人は正社員だったのだろうか?)、よっぽどじゃなければ、解雇はできなくて、終身雇用が前提なんですね。今の時代にはあってないのは間違いないですが、でもそれが事実です。
ここの所をよく分かってない経営者多すぎるような気がするなぁ。簡単に採用するけど。
本来は会社っていうのは正社員採用したら、定年まで面倒みなきゃいけないんですよね。その覚悟がなければ、採用しちゃいけない。(あくまで日本の現行法上ね)
僕も今の時代にあってないと思うけど、そうはいっても法律は守りましょうね。




blogには該当記事以上のことは書けませんが、法務にきちんと相談した上で行動しております。この件に限った事ではありませんが。
Dan
弾さん
コメントありがとうございます。
なるほどー。それなら問題ないのかもしれません。
ただ、僕も一被雇用者として、弾さんのブログをみた雇用主の人が変に誤解したら嫌だなーと思っただけです。
コンサルタントの世界ではよく Up or Out 、年齢とともに昇進していけない者は去る文化というのがあると言われます。
実際、去っていってしまった人も知っています。
ただ、労働者を守りまくる日本の法の中でどうやって東京オフィスが Out させていたか興味を持っていたのですが、いわゆる「カウンセリングアウト」の実態というのが弾さんのエントリで紹介されていたものなのだろうなと、興味深く読んでいました。
hachimituさんはこのエントリの最初で、能力不足に関する記述を引用されていますが、あれは会社側が「カウンセリングアウトへ誘導しよう」と判断した理由であって、彼が「辞めた」理由ではないはずです。
彼が辞めたのは自主的な判断であって、その理由は自己の能力不足です。
ただ、役員たる弾さんが「あなたは解雇を選ぶことも出来ます。自ら辞めることも出来ます。」と言った時、法に則って会社に残り続ける権利について触れないのは法的に本当に問題がないか(誤解へ意図的に誘導したとしたら詐欺行為ではないか)、法的に問題なくとも誠実さに欠けるのではないか、とは思います。
個人的には、日本の法は労働者を弱者とし、弱者保護のためにいたせりつくせり状態になっているため、うんざりな部分があります。
同類であるプログラマやコンサルタント達には、例え一社から解雇されても、法に頼って生きながらえようとするような弱者であって欲しくないという気持ちがあります。
市井賢児さん
コメントありがとうございます。
専門家の方のご意見はありがたいです。
僕も、弾さんは基本的には間違ってはいないと思います。
結果的には自主退職ですし。
むしろ一般的にはかなり誠意ある態度だと。
冒頭の「能力不足」の引用については、それ自体の違法性というのではなくて、相手に言うのは良いんだけど、それだけだと「解雇」はできないんじゃないかなー、というのが単純な理由です。
気になったのは「解雇」をちらつかせちゃってることの一点で、市井さんおっしゃる「法に則って会社に残り続ける権利について触れない」というとこも確かにそうですね。うん、後者かなり重要ですね。(これは弾さんブログには書いてないだけで、伝えていたのかもしれませんが)
また、何度も書いてるのですが、僕も今の法律は時代にあってないなーとは感じます。弾さんの方法論が法律的に問題ない世の中であれば、それはそれでやりやすいのかもなーと。
>個人的には、日本の法は労働者を弱者とし、弱者保護のためにいたせりつくせり状態になっているため、うんざりな部分があります。
労働者がなぜ資本家の肩を持つのですか?
>労働者がなぜ資本家の肩を持つのですか?
労働者としても明らかに貢献していない社員が同等(またはそれ以上)の収入を得ている事に不条理を感じるからだと思います。あまり客観的な考え方では無いのかも知れませんが。
ちなみに当該の話題は経営者についてであって、資本家についてではないのでは?
小飼弾さんのBlogからやってきました。
クビのやり方は酷いとは思いましたが、この人って幹部社員なんじゃないですかね?
だって、創業メンバーだったら普通は重役ですよね。
そこからの降格だから、まだ平社員までは落ちていないのではないかと思います。
それでクビも可能だったし法務も問題ないと判断したのではないかと思います。
どうっすか?
ごろーさん
コメントありがとうございます。
幹部職員とか、いわゆる「管理職」の人でも使用者から給料をもらう立場であれば、「雇用契約」があり、労働者です。ですので、「解雇」の制限も平社員と同様なはずです。
気になって色々調べたのですが、過去の判例でも「管理職の解雇」が無効とされた事例はけっこうありますね。
ただ、「取締役」の場合は「雇用契約」ではなく、「委任」になるので上記のような制限はないものの、「解任」にあたっては「株主総会での議決」が必要になります。
弾さんのケースだと「株主総会」という話は出てこず、「解雇」となっているので、対象の人はおそらく役職があっても「雇用契約」のあった方だとは思います。